たくさんの大切な出逢いに感謝

 息子が1歳半過ぎた頃から、我が家の想像とは少し違った育児が始まりました。3歳になると自閉症と診断され、その頃にようやく言葉が出始めると、徐々に歌を歌ったり、テレビで覚えたセリフをどこに居ようと何度も繰り返したりしていました。
 幼児期に大変なことは色々ありましたが、「緑」「3番」「物事の順番」という拘りには特に手を焼きました。外出先では尚更です。毎日癇癪を起こす息子と過ごしていた当時の私は、心が不安定になっていました。そんあ日々を乗り越えられたのは、さまざまな療育機関などでの素晴らしい出逢いがあったからです。保育士の方々、療法士や心理士の方々、こども園の先生方などが息子に寄り添って下さり、周りと同じように出来なくてもわずかな成長を見逃さずに褒めて頂きました。拘りへの対応や不安を減らす為の丁寧な事前準備など、私も学ぶ事が多かったです。親子通園では保護者の皆さんと励まし合ったり、情報交換をする事で気持ちが前向きになって、頑張ろうというエネルギーをもらいました。
 小学校は支援学級、放課後にはデイサービスに通い、少しずつ出来る事を増やして自信に繋がるように日々温かくサポートして頂いた先生方や指導員の皆さんのおかげで様々な経験をさせて頂き、苦手な事にも取り組む姿がありました。クラスの友人達との助け合い、楽しく学校生活を送れたことは本当に嬉しかったです。
 この春中学生になった息子は、また新しい環境で先生方のご指導やサポートを受けて、交流や部活を頑張っています。大好きな鉄道の写真を撮ることも楽しんでいます。そして私は、今では息子に言われなくても「緑」「3」を選ぶようになった自分を笑えるまでになりました。家族、友人、これまでの成長過程で出逢ったすべての方に感謝の気持ちでいっぱおです。ゆっくりと前に進む息子の姿は誇らしく、これからも応援団が周りに居ることを忘れずに歩んで欲しいと思います。

わが子の成長

 忘れもしない思い出のエピソードがあります。
 小学校1年生の時、テストで0点をとってきた息子。恥ずかしそうに「ママ、テスト0点だった。」と話す為、私は「すごい天才だよ。0点をとれる子なんて。誰にでも出来ることじゃない。」とほめまくりました。次のテストでは、「僕、35点もとれちゃった。」と悲しい顔をしながら話したことを、今でも鮮明に覚えています。
 そんな息子も今では中学3年生。集団で過ごすのが苦手で、勉強も個別に教えてもらわないと理解するのが難しい為、小学校より支援学級に通わせてもらいました。小学校の頃は、特に何の問題もなく過ごせました。
 中学校1年生の3学期より、突然、学校に行かなくなりました。朝、起きずにずっと寝ている状態。声かけしてもほとんど話さず、起きている時にはゲーム三昧でした。笑顔もなくなり、友達との関わりもしなくなりました。そんな中、2年生の担任の先生は、まめに電話連絡や、家に足を運んで下さいました。家に来ても会うこともない状態でしたが、あきらめず常に息子に寄り添って下さいました。息子も、先生の熱心な態度に少しずつ心を開き、先生となら会って話せるようになりました。すると、表情も少しずつ明るくなりました。少しずつではありますが、数時間程度学校に通えるようになりました。高校への進路も、自分に合った学校を探し、体験学習も積極的に参加しています。
 今まで、辛い時期を一緒に関わり寄り添って下さった先生にはとても感謝しています。これからも、いろいろなことがあると思いますが、息子の一番の理解者でありたい、応援していきたいと思います。

わが子の成長の姿

 小学校に入学し初めての運動会当日、息子は運動会に参加したくないと朝から泣いていました。参加したくない理由を聞いても「行きたくない。」と一言だけでした。仕方なく運動会は私達と一緒にお友達の応援をしました。運動会が終わり学校登校の朝「学校行きたくない。」と言い、家から外に出ませんでした。それから学校に行ったり行けなかったりの日々が続きとうとう学校に行けなくなってしまいました。
 私は息子が学校に行かない事をなかなか受け入れられず、息子を責めてしました。学校に行くのは当たり前と思っていた私は、私の子育てが間違っていたのかなと悩みました。私は学校や医療機関に相談しアドバイスを受け、私が息子にしてあげられる事を少しずつやっていこうと思い、一緒に過ごす時間を増やし、一緒に学校に行き、一緒に授業を聞き、少しずつ少しずつ学校に足が向くようになりました。一緒に過ごす時間が増えたお陰で息子の成長を日々感じられ、私自身も一緒に成長する事ができました。
 息子は不登校になってから特別支援学級に移り、まずは無理なく楽しく過ごせるように、学校や先生がサポートしてくださり、学校で過ごす時間、登校できる日が少しずつ増えて行きました。行けるようになったり行けなくなったりの繰り返しですが、1学期より2学期、2学期より3学期と出席日数も増え驚きと同時に嬉しくなりました。学校行事にも参加できる様になり本当に成長を感じます。
 息子も今では中学2年生になり不登校の時期もありましたが、部活も勉強も頑張っていて、行けなかった頃がうその様です。息子は責任感が強く頑張りすぎてしまうところがあるので、力を抜きながら、息子のペースで頑張って欲しいと思います。